グリコーゲンは、糖質が不足したときの非常用エネルギーです
ダイエットをしているとき、「炭水化物や糖質」、「グルコースやグリコーゲン」など、わかりにくい用語に出会うことがあります。
これらの用語は、炭水化物ダイエットをするうえで押さえておきたい大切なキーワードです。
しっかり理解して、ダイエットに役立てましょう。
まず、炭水化物についてです。
炭水化物と糖質は、同じ意味で使われる場合もありますが、正確には、炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものです。
糖質、タンパク質、脂質は、3大栄養素といわれ、どれも、人が生きていくために欠かせない栄養素です。
なかでも、脳の唯一のエネルギー源と称される糖質は非常に重要です。
実際、糖質が完全になければ、脳の動きはストップしてしまうでしょう。
もし食事で糖質が足りない場合には、肝臓にストックされた非常用エネルギーのグリコーゲンを使います。
それでも足りなければ、筋肉からエネルギーを取り出して、脳を動かそうとするといわれています。
そのぐらい大切なのが糖質です。
炭水化物ダイエットや糖質制限ダイエットをするときでも、極端に糖質を減らすことは危険です。
どんなダイエットも、言葉を正しく理解し、健康的なダイエットをしましょう。
糖質には、いくつか種類があります
糖質は、その言葉から砂糖をイメージするかもしれません。
しかし、糖質を含む食品は、砂糖のように甘いものだけはなくて、ごはんやパン、イモ類などにも多く含まれています。
糖質にはいくつか種類があります。
まずは、「単糖類」です。
これは、それ以上、分解できないくらい小さな構造をしている糖です。
単糖類には、「ブドウ糖(グルコース)」含まれており、エネルギーをつくるためには欠かせない物質です。
次に、「二糖類」です。
これは、単糖が2から10個結びついた糖です。
そして、「多糖類」です。
これは、単糖が多数結びついた糖です。
多糖類には、でんぷんやグリコーゲンなどが含まれます。
- 単糖類
グルコース(ブドウ糖)
- 二糖類(砂糖、牛乳など)
スクロース
- 多糖類(ごはん、野菜類、果物など)
でんぶん、グリコーゲン
グリコーゲンは、ブドウ糖の塊のようなものです
「グリコーゲン」と「グルコース」、似ている用語ですが、その形に違いがあります。
グリコーゲンとは、ブドウ糖(グルコース)の塊のようなものです。
たくさんのブドウ糖がくっついた構造をしています。
筋肉や肝臓には、このグリコーゲンがストックされています。
肝臓は、ブドウ糖をグリコーゲンの形に変えてストックするはたらきがあります。
また、ストックされたグリコーゲンを必要に応じて、ブドウ糖に分解して、エネルギーするはたらきもあります。
たとえば、糖質を摂ると、消化酵素のはたらきで糖質はブドウ糖の形に変わります。
その後、ブドウ糖はエネルギー源として利用されます。
しかし、食べ過ぎなど過剰分ができると、グリコーゲンや脂肪となって体内にストックされるのです。
炭水化物や糖質は、決して悪いものではありません
疲れたとき、チョコレートやアイスなど甘い食べ物が欲しくなったことはありませんか。
これは、脳が糖質を欲しがっているからです。
糖質が不足すると、体にエネルギーが行き渡らず、体がだるくなったり集中力がなくなったりしてしまうのです。
最近、スーパーやコンビニに行けば、低糖質、糖質ゼロと書かれた商品がたくさん並んでいます。
しかし、糖質は決して悪いものではありません。
むしろ、必要な栄養素です。
もし、食事をしても糖質が補えない場合、非常用として肝臓にストックしてあるグリコーゲンをエネルギーとして使うようになります。
それでも足りない場合はどうするのでしょうか。
それは、筋肉のタンパク質を使うのです。
これを、「糖新生」といいます。
具体的には、筋肉のなかにあるアミノ酸のひとつが材料となり、肝臓でブドウ糖をつくる体のシステムです。
つまり、極端に炭水化物や糖質を減らし続けると、体重だけはなく筋肉までどんどん減り、基礎代謝まで減り、結果的に、やせにくい体になってしまうのです。
急激に体重を落とすようなダイエットはやめましょう。
(まとめ)炭水化物ダイエット中のグリコーゲンのはたらきとは?
肝臓にストックされたエネルギーをグリコーゲンといいます。
脳は、糖質がなければ動きがストップしてしまうため、常に糖質を必要としています。
そのため、糖質の形をグリコーゲンという形に変えて、非常用のエネルギーとしているのです。
「単糖類」は、それ以上、分解できないくらい小さな構造をしている糖です。
「二糖類」は、単糖が2から10個結びついた糖です。
「多糖類」は、単糖が多数結びついた糖です。
上記のように、糖質にはいくつか種類があります。
グリコーゲンは、たくさんのブドウ糖がくっついた構造をしています。
糖質を摂ると、体のなかでは糖質はブドウ糖に形を変えます。
その後、ブドウ糖は、エネルギー源になったり、筋肉と肝臓でグリコーゲンとしてストックされたりします。
店頭には、低糖質、糖質ゼロと書かれた商品がたくさんあります。
しかし、糖質は悪いものではありません。
脳のエネルギー源にもなる糖質は、非常に重要なはたらきがあります。
極端に炭水化物や糖質を減らすことはやめましょう。