食事制限や糖質制限をすれば代謝が上がりますか?

単純に食事や糖質を減らすだけでは、代謝は上がりません


食事制限で食事を減らし、糖質制限で糖質を減らすだけで、タンパク質を増やさなければ、代謝は上がりません。

食事を減らしながら代謝を上げるためには、運動をしたり、生活の動作(ニート:NEAT、nonexercise activity thermogenesis、非運動性熱産生)を運動に近づけたりすることが必要になります。

食べた食事を消化するときにエネルギーを使いますが、この代謝、消化に使われるエネルギーを食事誘発性熱産生(DIT)といいます。

食事誘発性熱産生(DIT)は、糖質の食後には、食べた糖質の4%が使われ、タンパク質の食後には、食べたタンパク質の30%が消費されるといいます(最も大きい数字)。

食事制限をした場合、食べる量が減るため、使用されるエネルギーも減ります。

糖質制限をした場合、糖質は減り、タンパク質が増えるため、代謝は少しアップします。

しかし、食事誘発性熱産生(DIT)よりも、体に取り込まれ栄養になるエネルギーが大きいことは自明で、食べること・消化のためにそこまでエネルギーは取られないだろうことが予想されます。

実験によると、食事誘発性熱産生(DIT)は、1日の代謝エネルギーの5~15%を占めるそうで、糖質制限でタンパク質が増えた状態では12%程度となるようです。

ちなみに、脂質は、食事誘発性熱産生(DIT)を下げる働きがあるということです。

食事制限では代謝はむしろ減り、糖質を制限した上でタンパク質を増やせば、代謝は増えます。

ダイエットとしてしっかりと代謝を増やしたいなら、食事だけの糖質制限ダイエットには、何かしらの運動が必要です。

アルコールは、代謝を上げつつ脂肪合成を加速させる

代謝の一つ、食事誘発性熱産生(DIT)についての上記実験(「Diet induced thermogenesis」PMCID:524030)により、もう一つ大切なことが分かります。

食事誘発性熱産生(DIT)が最大の15%となるのは、タンパク質とアルコールを摂取したときだということです。

酒を摂取すれば食事誘発性熱産生(DIT)が増えるのでよいことだ、などと早合点してはいけない理由があります。

アルコールは、このように消化のために多めのエネルギーを使いますが、脂肪合成を加速させる役割があるといわれているのです。

ですから、食事制限ダイエット中にアルコールを積極的に摂ることはまったくおすすめできません。

しかし、食事制限中ではなく、総合的に考えて健康な体がアルコールに対処できる場合、ケースバイケースで摂取することもできるでしょう。

タンパク質は満腹感を生み、食物摂取調節をします


タンパク質は、食事誘発性熱産生(DIT)に関連した満腹感を生み出します。

タンパク質を食べると消化するときにエネルギーを多めに使うため、エネルギーを使うことが刺激となって、脳が満腹だと判断するのです。

これは、食べる、食べないを決める食物摂取調節において、重要な役割を果たします。

つまり、タンパク質を摂ると、消化しながら満腹感が生まれるため、ダイエットにおいて毎食の食べ過ぎ防止には好都合ということです。

食事誘発性熱産生(DIT)に関連した満腹感は、糖質量よりも、タンパク質の量によるらしい、とも書かれています。

食事誘発性熱産生(DIT)は体温を上昇させますが、体の芯から温まることも満腹感に変わるといいます。

食事制限は、芯から寒くなるといいますが、タンパク質は食事制限に有効でしょう。

念のため申し添えますが、食事制限をしていて寒いからといって、アルコールを摂っては元も子もありません。

寒いときには、タンパク質を摂ることをおすすめします。

代謝のバランスを保つことが生命にとって重要です

食べて、合成したり分解したりすることを、合わせて、代謝といいます。

代謝には、いろいろな種類があり、いろいろな分け方がありますが、ここでは同化と異化という分類で考えてみましょう。

同化とは、例えば、体内でグルコースからグリコーゲンを合成したり、アミノ酸からタンパク質を生合成したり、といった反応です。

異化とは、還元状態にある栄養素を、酸化して、結合エネルギーをATP(生体のエネルギー通貨、生体にとってのエネルギーを抱えている物質)に変換することです。

生命維持や生体の活動のため必要なエネルギーを得ることが、異化であり、例えば、呼吸が代表的なものです。

代謝の状態がよく、同化と異化のバランスがよいのが理想です。

さて、私たちは体が求めるような、バランスのよい食事をしているでしょうか?

不足しがちなタンパク質を含めてバランスよく食べ、同化と異化の円を少し大きくしながら、代謝のバランスを保ちつつ体脂肪でなく筋肉を合成できたら、体格・体型の美しい状態になることができそうです。

バランスを保ちつつ、同化と異化の円がコンパクトになった状態が、食事制限で目指すところなのかもしれません。

食べて、運動して、自分の体は、まずどうやったら代謝のバランスを取ることができるか、動きながら考えてみるとよいかもしれません。

(まとめ)食事制限や糖質制限をすれば代謝が上がりますか?

1. 単純に食事や糖質を減らすだけでは、代謝は上がりません

食事制限で食事を減らし、糖質制限で糖質を減らすだけで、タンパク質を増やさなければ、代謝は上がりません。

糖質を制限した上でタンパク質を増やせば、代謝は増えます。

食事を減らしながら代謝を上げるためには、運動をしたり、生活の動作(NEAT)を運動に近づけたりすることが必要になります。

2. アルコールは、代謝を上げつつ脂肪合成を加速させる

酒を摂取すれば食事誘発性熱産生(DIT)が増えますが、アルコールは脂肪合成を加速させる役割があるといわれています。

食事制限ダイエット中のアルコールはまったくおすすめできません。

しかし、食事制限中ではない場合は、総合的に考えてケースバイケースで摂取することもできるでしょう。

3. タンパク質は満腹感を生み、食物摂取調節をします

タンパク質を食べると消化するときにエネルギーを多めに使い、それが刺激となって脳が満腹だと判断、食物摂取調節において重要な役割を果たします。

食事誘発性熱産生(DIT)は体温を上昇させますが、芯から寒くなるという食事制限では、タンパク質は有効でしょう。

4. 代謝のバランスを保つことが生命にとって重要です

代謝は、同化と異化に分けることができ、同化と異化のバランスがよいのが理想です。

私たちは体が求めるような、バランスのよい食事をしていないかもしれません。

不足しがちなタンパク質を含めてバランスよく食べ、運動して、自分の体はどうやったら代謝のバランスを取ることができるか、動きながら考えてみるとよいかもしれません。

関連記事

ダイエット中でも選べるおいしい低糖質食事
ページ上部へ戻る