中性脂肪とグルコースは、血液の中でどれくらいちがうの?

グルコースは全身フリーパスですが、中性脂肪は動きに制限が


私たちの体をつくっている細胞は、イタリアの生物学者エヴァ・ビアンコニらによる論文「人体の細胞数の推定(An estimation of the number of cells in the human body)」によると、成人の細胞数は「37兆2000億個」だったといいます。

人の体全体の細胞数と、個別の器官の細胞数を、文献的そして数学的なアプローチを使って統計的に計算したそうです。

私たちの広大な面積をもつ人体の中は、1つの細胞だけだったり、細胞の集合体だったりによって多くの部屋がつくられ、それぞれの場所で個性的な作業が進められています。

物質透過性のよい、特殊な網戸のような壁があり、うまく仕切られているために、無限数の化学反応が安定的に進むのです。

中性脂肪を蓄える脂肪細胞も、中性脂肪だけを包み込んでいるだけではなくて、ミトコンドリアや、褐色脂肪細胞では鉄イオンも含んでいます。

『「代謝」がわかれば身体がわかる』(光文社新書、大平万里著)では、「酵素や筋肉の実体であるタンパク質が「生命の父」ならば、細胞膜は「生命の母」と表現してよいかもしれない」と書かれており、細胞膜の重要さがわかります。

細胞膜の主な成分は、リン脂質です。

脂質といえば、疎水性と思いがちですが、リン脂質は、疎水性と親水性、両方の性質をもつ「両親媒性」の物質です。

ミセル(やベシクル)をつくり、水溶液(血液)の中、完全な疎水性の「中性脂肪」などを運びます。

疎水性の反対である、水に溶けやすい「親水性」の代表的な物質は、「グルコース(ブドウ糖)」です。

グルコースは脳にまで行けるほど血中をどこへでも行けますが、中性脂肪は両親媒性の膜や運んでくれるタンパク質などがなければ移動できず、動きに制限があります。

ちなみにタンパク質は、その大きいタンパク質構造を保つために「疎水結合(疎水性相互作用)」というしくみが働いています。

中性脂肪をつくる働きを抑える、十分な睡眠

中性脂肪とグルコースは、このように、そもそも人体の中で動ける範囲がちがうわけです。

さて、血液中のグルコース濃度が上がると、グルコースはインスリンの働きで中性脂肪に変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。

グルコースを多く摂りすぎれば肥満をまねき、条件により容易に生活習慣病になってしまいます。

しかし、適量のグルコースがなければ体も脳も効率よく働くことが難しくなり、体の不調の原因になります。

何事もバランスが大切で、どこでバランスを取るかが問題になります。

それでさまざまな実験がなされるわけですが、最近、「絶食を9時間以上」したラットは、脂質代謝に重要である「脂肪酸合成」酵素の量が、通常状態の「100分の1以下に減少」する、ということがわかりました。(Ikeda, I. et al.: Biosci. Biotechnol. Biochem, 78, 1584, 2014.)

脂肪酸合成酵素のmRNA発現量には、グルコースを摂りすぎるなどの食事の影響より、絶食の影響のほうが大きいということです。

ただし、脂肪消費(β酸化)関連酵素のほうのmRNA発現量は、絶食の影響がでなかったそうですから、食事には気をつけましょう。

つまり、必要以上の中性脂肪をつくらない健康な体であるためには、十分な睡眠を取るなどして絶食の時間を取り、脂肪酸合成を必要十分にすることが重要なのでしょう。

ハチミツは、比較的、中性脂肪をつくる働きを抑える


糖尿病マウスへのハチミツ投与は、スクロース(フルクトース+グルコース)と比較して体重や血糖値の上昇を抑える作用があることがわかったそうです。(Shirai, Y. et al.: 京都産業大学先端科学技術研究所所報14, 13-30, 2015-07)

ハチミツには、ビタミンとミネラルが含まれています。

これらに弱いながらも体重増加の抑制作用があるのかもしれない、と考察されています。

2009年の海外の報告では、糖尿病患者へのハチミツの投与により、8週間後に体重が有意に下がった、とするものもあるようです。(Bahrami M, et al. Int J Food Sci Nutr 60, 618-626, 2009)

ハチミツは砂糖に比べて格段によい糖分、糖尿病に優しい糖分であるといえる、ということです。

そして、健診と運動を忘れずに

日本人は、それでも欧米などに比較すれば肥満体型にはなりにくく、その代わりに病気のほうになってしまいやすいといわれます。

日本人2型糖尿病患者のうち、非肥満の方のインスリン抵抗性は、内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積、それに血清中性脂肪値と関係している、ということがわかっています。(糖尿病 47(4), 277-282, 2004)

肥満体型にすでになっているならなおのこと、毎年の健診を欠かさないようにしましょう。

また、運動は万病の薬など、さまざまな言葉で同内容がいわれています。

たしかに心臓の働きが弱れば、脚のポンプの働きは相対的に重要になります。

イスの立ち座りスクワットだけでも相当な効果がありますので、動きましょう。

(まとめ)中性脂肪とグルコースは、血液の中でどれくらいちがうの?

1. グルコースは全身フリーパスですが、中性脂肪は動きに制限が

細胞膜の主な成分はリン脂質で、脂質といえば疎水性と思いがちですが、リン脂質は、疎水性と親水性、両方の性質をもつ「両親媒性」の物質です。

血液の中も、完全な疎水性の「中性脂肪」などを運びます。

疎水性の反対である、水に溶けやすい「親水性」の代表的な物質は、「グルコース(ブドウ糖)」です。

グルコースは血中をどこへでも行けますが、中性脂肪は両親媒性の物質がなければ移動できず、動きに制限があります。

2. 中性脂肪をつくる働きを抑える、十分な睡眠

最近の実験で、「絶食を9時間以上」したラットは、脂質代謝に重要である「脂肪酸合成」酵素の量が、通常状態の「100分の1以下に減少」するということがわかりました。

必要以上の中性脂肪をつくらない健康な体であるためには、十分な睡眠を取るなどして絶食の時間を取り、脂肪酸合成を必要十分量にすることが重要といえそうです。

3. ハチミツは、比較的、中性脂肪をつくる働きを抑える

糖尿病マウスへのハチミツ投与は、スクロース(フルクトース+グルコース)と比較して体重や血糖値の上昇を抑える作用があることがわかったそうです。

ハチミツは砂糖に比べて格段によい糖分、糖尿病に優しい糖分であるといえるということです。

4. そして、健診と運動を忘れずに

糖尿病患者のうち、非肥満の方のインスリン抵抗性は、おなかの脂肪や中性脂肪値と関係しているということがわかっています。

肥満体型にすでになっているならなおのこと、毎年の健診を欠かさないようにしましょう。

運動は万病の薬ともいわれますからイスの立ち座りスクワットだけでも、動きましょう。

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