中性脂肪とコレステロール関係ありますか?

中性脂肪値が低いとき、善玉コレステロールは動脈硬化を予防


中性脂肪とコレステロールには、関係があるはず、と感じる方も多いのではないでしょうか。

その通り、限定された数種類のリポタンパクとなって移動するため関係があります。

脂肪を乗せたリポタンパクは、大きく分けて、次の3つのルートを運行しています。

  (1)肝臓でつくられた脂肪を全身の組織に配るルート
  (2)食物から吸収され、小腸でつくられた脂肪をエネルギー源として配るルート
  (3)体内で余ったコレステロールを回収するルート

体内で余ったコレステロールを回収するため、肝臓で、まず、タンパク質が主体の物質がつくられます。

これが血液中に分泌されると、ほかのリポタンパクから、機能を請け負うアポタンパクやリン脂質などが渡されて成熟したHDL(高比重リポタンパク)となります。

HDL(高比重リポタンパク)のおもな成分は多い順に、リン脂質50%、タンパク22%、コレステロール18%、中性脂肪10%です。

HDL(高比重リポタンパク質)は、末端組織などで余った脂肪やタンパクを受け取って肝臓へ戻したり、動脈硬化部分にたまったコレステロールを抜き取ったりしています。

このリポタンパク質と、狭義のコレステロールによる複合体が、善玉コレステロール(HDL-C)、悪玉コレステロール(LDL-C)と呼ばれ、血液検査の対象になっています。

HDLコレステロールが高いと動脈硬化に対しては予防的に働くというので“善玉コレステロール”と呼ばれていますが、実は、中性脂肪値が低いときだけ、善玉コレステロールは動脈硬化を予防します。

つまり、中性脂肪値とHDLコレステロール値とには、シーソー現象がみられるのです。

中性脂肪値が低いなら、HDLコレステロールが高いのですが、この状態は健康上、問題ありません。

しかし、高中性脂肪血症(中性脂肪が高値)なら、HDLコレステロールは低くなり、動脈硬化を進める方向に物事が動くのです。

中性脂肪もコレステロールと同様、生存に必須の脂質です

コレステロール

全身の細胞の数は、少なくとも37兆以上といわれています。

この一つ一つ、すべての細胞の膜材料が、コレステロールと呼ばれる脂質の一種です。

体は、神経以外に、ホルモンなどでも情報を伝達していますが、このホルモンもコレステロールからつくられます。

脂肪や(脂溶性)ビタミンの消化・吸収に欠かせない胆汁酸も、コレステロールからつくられます。

「コレ」は胆汁、「ステロール」は固体を意味するギリシャ語で、コレステロールははじめ1784年に胆嚢結石(胆石)の成分として発見されました。

コレステロールをつくるおもな臓器は肝臓です。

体内にはおよそ100~120gのコレステロールがほぼ変動せず常に存在し、筋肉、肝臓、脳に30%ずつ貯蔵され、残り10%は血中や他臓器に存在しています。

中性脂肪

中性脂肪は、食品から吸収されるものと、肝臓や小腸で合成されるものがあります。

中性脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪として脂肪細胞に蓄えられ、いざという時や長時間の有酸素運動時に、エネルギーとして利用されます。

中性脂肪を蓄える脂肪細胞は、痩せホルモンと呼ばれるアディポネクチンや、満腹ホルモンと呼ばれるレプチンというアミノ酸結合体を産生することで知られています。

つまり中性脂肪も、コレステロールと同様に健康維持・生存のため、なくてはならない必須の脂質なのです。

脂肪萎縮症から、中性脂肪を蓄えた脂肪細胞の有り難さが


脂肪萎縮症とは、皮下脂肪や内臓脂肪などの脂肪組織が、減少あるいは消失する病気です。

脂肪萎縮症は先天性のものと、自己免疫異常などによる後天性のものがあり、それぞれに、全身の脂肪組織が減少・消失する全身性のものと、四肢の皮下脂肪などだけ局所的に脂肪組織が減少・消失する部分性のものがあります。

どの脂肪萎縮症でも、脂肪組織が一定以上消失すると、糖尿病、高中性脂肪血症(高-中性脂肪-血症、 高トリグリセライド血症)、脂肪肝などの糖脂質代謝異常を発症して、これが患者さんの予後を左右するということです。

脂肪萎縮症に合併する糖尿病は、脂肪萎縮性糖尿病と呼ばれ、インスリン抵抗性が強いことが特徴です。

高中性脂肪血症(高-中性脂肪-血症、 高トリグリセライド血症)では、血液の中に脂肪がたくさん含まれていて血液はドロドロ、血栓がつまり、血圧は高くなり、放っておくと脳梗塞や心筋梗塞といった、場合によっては取り返しのつかないことになってしまう病気につながります。

脂肪萎縮症のこれらの代謝異常は、脂肪組織の減少に伴う低レプチン血症が主因であることが分かってきました。

レプチンの糖脂質代謝調節作用が注目されています

レプチンは、おもに視床下部に作用することにより摂食抑制とエネルギー消費亢進をもたらす、抗肥満ホルモンとして知られています。

中性脂肪を湛える脂肪細胞より分泌されるレプチンには、この体重調節作用以外に、糖脂質代謝調節作用、性腺機能調節作用、血圧調節作用など、多彩な生理作用があることが分かってきています。

脂肪萎縮症では脂肪組織の減少に伴う低レプチン血症により、糖脂質代謝異常がもたらされるため、脂肪萎縮症を対象としたレプチン補充療法の薬事承認が目指されています。

しかし一方、レプチンを補充して代謝異常は改善しても、脂肪萎縮症の脂肪萎縮そのものを回復させるわけではないため、ヒトiPS細胞を用いた細胞治療法の開発も目指されています。

ただ、脂肪細胞が過剰に肥大化したなら、とくに内臓脂肪細胞から遊離脂肪酸が遊離され、これが原因となって、グリコーゲン合成を阻害するインスリン抵抗性となります。

具体的には褐色脂肪細胞に燃焼されなかった分の遊離脂肪酸が、CD36タンパク質によって骨格筋や肝細胞に運ばれることがあり、これがグリコーゲン合成を阻害するのです。

ほかに、脂肪細胞が肥大化してしまうと、インスリン受容体の感受性を低下させるTNF-α(ティーエヌエフアルファ)やレジスチン、血栓がつくられやすくなるPAI1(パイワン)、血圧上昇に関わるアンジオテンシノーゲンといったアディポサイトカインが脂肪細胞から分泌されます。

鍵は脂肪細胞であり、最適な量と大きさの脂肪細胞が、糖脂質代謝異常を来している肥満を救うのです。

(まとめ)中性脂肪とコレステロール関係ありますか?

1. 中性脂肪値が低いとき、善玉コレステロールは動脈硬化を予防

中性脂肪値と善玉HDLコレステロール値には、シーソー現象がみられます。

中性脂肪値が低いなら、HDLコレステロールが高く、この場合は問題ありません。

しかし、中性脂肪値が高いとき、HDLコレステロールは低くなり、動脈硬化が進みます。

2. 中性脂肪もコレステロールと同様、生存に必須の脂質です

コレステロールと呼ばれる脂質の一種は、すべての細胞の膜材料になります。

中性脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪として脂肪細胞に蓄えられ、いざという時や長時間の有酸素運動時に、エネルギーとして利用されます。

中性脂肪もコレステロールと同様に健康維持・生存のため、なくてはならない必須の脂質です。

3. 脂肪萎縮症から、中性脂肪を蓄えた脂肪細胞の有り難さが

脂肪萎縮症とは、皮下脂肪や内臓脂肪などの脂肪組織が、減少あるいは消失する病気です。

脂肪萎縮症では、脂肪組織が一定以上消失すると、糖尿病、高中性脂肪血症、脂肪肝などの糖脂質代謝異常を発症します。

脂肪萎縮症のこれらの代謝異常は、脂肪組織の減少に伴う低レプチン血症が主因であることが分かってきました。

4. レプチンの糖脂質代謝調節作用が注目されています

中性脂肪を湛える脂肪細胞より分泌されるレプチンには、視床下部に作用することにより摂食抑制とエネルギー消費亢進をもたらす体重調節作用以外に、糖脂質代謝調節作用、性腺機能調節作用、血圧調節作用など、多彩な生理作用があることが分かってきています。

鍵は脂肪細胞にあり、最適な量と大きさの脂肪細胞が、糖脂質代謝異常を来している肥満を救うと考えられます。

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