糖質制限をすると体重が落ちやすくなり、健康的な身体つくりに役立ちます
年齢を重ねても若い頃と同じような食事を摂っていると血糖値が上がり太りやすくなります。
また、生活習慣の乱れなども影響して、体脂肪が増える状況をつくります。
そこで注目されるのが糖質制限です。
糖質制限とは、糖質の多い食材を抜いたり、他の低糖質の食材に変えたりしながら、おかずは低糖質、高タンパク、ビタミン、ミネラルなどバランスの取れた食事をすることを言います。
糖質量が多い食材を把握しておけば、細かい計算の必要がなく、忙しい方でもメニューがつくりやすい食事療法です。
糖質制限をすると、体内では体脂肪がエネルギー源となり、体重が落ちやすくなります。
また、糖質制限と同時に運動やカロリー制限を行なうと、ダイエット効果が期待できます。
しかし、注意も必要です。
病気の方や治療薬を服用している方は、医師の指導が必要であり、糖質制限はできません。
また、過度な糖質制限や誤った糖質制限は低糖質を起こす危険もあります。
適度な運動、生活習慣の見直しとともに、自分にあった糖質制限をすると健康的な身体つくりに役立ちます。
目次
糖質を摂ると血糖値は上昇しますが、インスリンの働きでコントロールされています
ご飯やパンなどの糖質を含む食事をすると、糖質はまず消化酵素に分解されブドウ糖へと形を変えます。
その後、ブドウ糖は小腸で吸収され血液中に溶け出し全身に巡ります。
この血液中に溶けたブドウ糖を「血糖」と呼びます。
また、血液中にどのくらいのブドウ糖が存在するのかという血糖の量を数値化したもの「血糖値」です。
血糖値は、糖質を摂ると急上昇します。
すると、すい蔵からインスリンというホルモンが分泌され、多すぎる血糖を筋肉や肝臓に移動させます。
運動などをすると、血糖が使われる場合もあります。
しかし、それでも多すぎて残ってしまった血糖は、インスリンの働きで脂肪として蓄積ます。
これが「太る」ということです。
また、血糖の急上昇は、血管を傷つけたり、血流を悪くしたり、動脈硬化の原因になるとも言われています。
血糖値を上げる栄養素は、糖質だけです
私たちの身体をつくる基本的な栄養素は、タンパク質、脂肪、炭水化物の3つです。
その中の炭水化物から食物繊維を引いた物質が「糖質」です。
(炭水化物-食物繊維=糖質)
糖質を摂取するとすぐに血糖値は上がります。
しかし、タンパク質や脂肪は摂取しても血糖値に変化がありません。
つまり、血糖値を上げるのは糖質しかありません。
血糖値が上がると太るのはこのためです。
そこで糖質制限では、ご飯やパンなどの糖質が多い食材を、低糖質な食材に変え、食生活を見直します。
人の身体のエネルギー源は、糖質と体脂肪です。
糖質を摂ると、糖質が優先的にエネルギー源になり、その後、体脂肪がエネルギー源となります。
これは、体を動かすエネルギー源の優先順位が関係しています。
糖質 → 体脂肪 → たんぱく質
体のエネルギーは、この順番でエネルギーを作ります。
糖質制限をすると、糖質だけでは作りきれないエネルギーを補うため体脂肪がエネルギー源となり、脂肪を燃焼させるようになります。今までよりも脂肪燃焼する頻度が増えることで体脂肪が減り体重が落ちやすくなると言われているのは、このような仕組みが関係しているのです。
また、糖質制限と同時に運動やカロリー制限を行なうと、ダイエット効果が期待できます。
自分に合った正しい糖質制限が大切です
「糖質は身体のエネルギーだから摂らないと低糖質になるのではないか」と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、ほとんどの方にはその心配はいりません。
人の身体は、食事から糖質を摂取しなくても、血糖が足りなくなる前に、肝臓でアミノ酸や乳酸などから必要な糖質を自らつくり出す機能を持っています。
これを「糖新生」と言います。
しかし、過度な糖質制限や誤った糖質制限は、低糖質になる恐れがあります。
また、糖質制限をしているからと、脂肪やタンパク質を摂り過ぎてしまうと身体には大きな負担となります。
ひとつの食材だけを摂るなど、偏って食べないように気をつけてください。
そして、健康的な身体つくりには糖質制限だけではなく、生活習慣の見直しや適度な運動も必要です。
自分の身体に合った正しい糖質制限を心掛けましょう。
糖質制限を始める前の注意点
次の項目に当てはまる方は、糖質制限を行っても良いか医師の指導を受けてください。
- 病気の方や治療薬を服用している方
- 糖尿病で経口糖降下剤を服用している方やインスリン注射をしている方
- 血液検査で血中クレアチニン値が高値で、腎障害がある方
- 活動性膵炎、肝硬変の方
(まとめ)糖質制限をすると身体にはどのような影響がありますか?
糖質制限は、血糖値の上昇を抑え、体脂肪を燃焼する仕組みをつくり、健康的な身体つくりに役立ちます。
また、糖質制限と同時にカロリー制限や適度な運動を行なうと体重が落ちやすくなり、ダイエット効果が期待できます。
すい臓から分泌されるインスリンにはふたつの働きがあります。
ひとつは血糖値を下がる働きで、もうひとつは余分な血糖を体脂肪として体内に蓄える働きです。
インスリンは、血糖値が安定するようにコントロールしています。
栄養素のうち血糖値を上げるのは糖質のみで、タンパク質や脂肪は食べても血糖値に変化がありません。
また、人の身体のエネルギー源は、糖質と体脂肪のため、糖質制限すると体脂肪がエネルギー源となり体重が落ちやすくなります。
正しい糖質ダイエットを行なえば安全ですが、病気の方など医師の指導が必要な方もいるため実践するには注意が必要です。
健康的な身体つくりには、生活習慣の見直しや適度な運動、そして自分に合った糖質制限が大切です。

糖質制限は、糖質が含まれる食材を何でも制限する訳ではなく、食べられるお肉もあれば、飲むこともできるお酒もあります。糖質が高い食材、低い食材の基本的な知識をつけていくことでストレスのない糖質制限を続けていくことができるでしょう。